中学1年生男の子 上下の歯が咬まない「開咬」を、非抜歯の矯正治療とMFTを併用して改善した症例

①中学1年生:開咬 非抜歯治療

➁使用装置:マルチブラケット、顎間ゴム

③中学2年生:治療期間 1y3m

はじめのご相談 上下の歯が咬まない。
カウンセリング・診断結果 上下の歯が奥歯しか咬まない開咬です。
開咬は咀嚼効率の低下や発音を悪くさせるため、上下の歯がしっかり咬むように改善することが必要です。
開咬は骨格が悪い場合と上下の歯の位置関係で開咬になる場合とこの二つが複合して開咬になる場合があります。
原因は、飲込み方(嚥下)や口呼吸による悪い舌機能です。
この症例は、精密検査により歯の位置関係による開咬で、悪い舌機能が原因と分かりました。
その他、下顎左右第二大臼歯が近心傾斜していて、立て直す必要があることが分かりました。
行ったご提案・診断内容 治療は口元が悪くないため歯を抜かない非抜歯治療で行い、上下の歯列形態を整え、顎間ゴムで咬ませる治療と併行して、改善後も噛み合わせが安定するように適切な舌機能になるための嚥下の練習と鼻呼吸の習慣づけを行う提案をしました。
装置は以下の装置で進めます。
・マルチブラケット:歯を動かす装置です
・顎間ゴム:補助的に使用するゴムで、力の加減を調整します
・MFT:上記と併行して、正しい機能:適切なベロ(舌)の位置と嚥下、鼻呼吸、姿勢などの習慣付けを行います
・保定装置:動的治療後は保定装置で歯列形態や咬み合わせを維持、安定させます
治療期間 1年3ヵ月(動的治療期間)
おおよその費用 咬合期治療:83万+TAX
術後の経過や現在の様子 術後の経過良好:リテーナーで保定、現在は経過観察中、正しい嚥下、鼻呼吸の習慣づけを意識していて、経過良好です。
治療のリスクについて 矯正治療に伴うリスクとして、歯ブラシ不足による虫歯・歯周病、装置による違和感・痛み、口内炎、話しにくい・食べにくい、歯肉退縮、歯髄壊死、歯根吸収、顎関節症の悪化などがあります。治療後適切な保定を行い、経過観察が必要です。
また、治療後も舌を上顎の正しい位置に置き、口を閉じて鼻呼吸をすることを習慣づけることが必須です。
上記を行わないとスペースや歯のねじれなどが生じます。