４ｙ４ｍ　女の子の乳歯列期からの受け口治療

２ｙ６ｍは感覚や神経系の成長が行われている時期のため歯並びよりもその成長を優先する時期になり、装置を使った受け口の改善は4才以降で行うことを説明し、それまでは上唇が固くタイトなため上唇マッサージなどを行い良い機能の習得で経過観察することを説明しました。

成長期の受け口は、上顎の成長を妨げ下顎が突出しやすい状態にあるため受け口が強くなり、骨格的な受け口へ移行し矯正治療を難しくする傾向にあります。
骨格的に大変強い受け口では、外科的に骨の長さを整える外科的矯正治療が必要になることがあります。

この症例は、４ｙ４ｍ時点で上顎骨が後退している骨格的な受け口で、上唇の力が強く上だけでなく下の乳前歯も後退していたため早期に受け口を改善し顔が適正に成長するように環境を整え、できるだけ骨格的な悪化を予防する説明をしてご理解いただきました。
横顔は受け口の特徴であるコンケーブ（中顔面、鼻の下あたりが凹んだ顔立ち：三日月状）に移行中です。
上唇マッサージは継続します。
舌位は低位舌で受け口を悪化させる要因となっています。

成長期に行う治療と永久歯を並べる咬合治療をご提案
4歳ころまで良い機能の習得（以下MFT）など
4歳ころから受け口の改善を始める説明を行いました。

成長期治療（成長時期にお口の環境を整え、適正な成長を促す治療）
舌、咬唇機能、鼻呼吸の習慣などの機能回復（*MFT）を行い悪化、再発の予防をする
受け口の改善
出来るだけ歯の並ぶスペースを作る（拡大）
前歯を並べる
拡大による顎顔面の適正な成長効果で口元を改善する　

成長期治療の装置
４才ころから
・受け口用筋機能顎矯正装置（以下モノブロック装置）：写真②

小2以降から
・ＱＨ：上顎の裏側につける装置で、歯列の形を修正（前歯
の前方誘導と拡大）する装置（写真⑤）
・ＢＨ：下顎の裏側につける装置で、歯列の形を修正（側方拡大）する装置（写真⑤）
・ブラケット：ワイヤーを装着し、上下の前歯4本をきれいに並べる装置（写真⑤）
・リテーナー：受け口改善後に噛み合わせを安定させる装置
・CLⅢ用装置：下顎の成長が強く出ると受け口の再発になる
ため、必要により下顎成長方向のコントロールを行う装置
　
咬合治療
・モノブロック（筋機能的咬合誘導）装置
・マルチブラケット法