小学校低学年(2年生、7歳4か月)女の子 出っ歯を伴う乳歯列の過蓋咬合を成長期を利用した矯正治療で改善した症例
①7才4か月 初診
➁7才9か月 MFT+機能的装置 装置使用後4か月
③8才1か月 MFT+機能的装置
はじめのご相談 | 他の医院で矯正が必要で抜歯治療になるといわれた。お母様が中学生の時に抜歯して矯正治療を受けた。できれば抜歯を避けたい。お友達が受診していてできるだけ抜歯を避けた治療をしていると聞き相談を希望しました。 |
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カウンセリング・診断結果 | 写真①参照 乳歯列の過蓋咬合(下の歯が上の歯で見えない状態)。 過蓋咬合は、歯が並んでいるアーチが非常に小さいため、大人の歯が凸凹になり抜歯になることが多い不正咬合です。 成長面では過蓋咬合は出っ歯を伴うことが多く、下の歯が上の歯にたくさん覆われているため、適正な下顎、顔の成長が起こらないため下顎が引っ込んだ顔立ちになります。 機能面では咀嚼が苦手になる傾向があります。 このため、過蓋咬合の治療は成長や機能が適切になるように早い時期から治療を進めます。 過蓋咬合は前述したように、アーチが非常に小さいためアーチを大きくする拡大を行います。 拡大をすると大人の歯の隙間が増えて凸凹のリスクが減ります。 患者さんは、下顎がさがっている出っ歯(下顎後退型上顎前突)を伴う過蓋咬合で、上下の前歯がべろ側に傾斜(後方傾斜)していて歯列(歯が並んでいるアーチ)が小さいので、大人の歯(永久歯)が出てくる隙間が足らず永久歯列は凸凹(叢生)になること、上あごの歯が下あごの歯をたくさん覆っているため下あごの成長が抑えられ後退しているため上の唇が出ているように見えます。 歯列は、内側から押すべろと出すぎないように抑える口唇のバランスが取れている位置に並びます(筋圧中立帯)。 |
行ったご提案・診断内容 | 幼児期と学童期に行う成長期治療と永久歯列の咬合治療をご提案しました。
成長期治療(幼児期) 現在、過蓋咬合と出っ歯は改善し、前歯の生え変わり時期になったため生え変わり後に拡大装置、ブラケットでアーチを大きくし大人の歯の生える隙間を増やす治療へ移行予定です。 成長期治療(学童期:成長時期にお口の環境を整える治療) |
治療期間 | 7才4か月~ 継続中 |
おおよその費用 | 成長期矯正治療費:42万円+TAX(咬合治療は別途57万円+TAX) |
術後の経過や現在の様子 | 乳歯列で出っ歯と過蓋咬合まで改善したのでMFTを行いながら現在前歯の生え変わりを経過観察しています。 前歯の生え変わりが終了後、拡大および前歯の並び替えを行う定です。 |
治療のリスクについて | 凸凹(でこぼこ)や口元の突出が残る場合は、抜歯治療へ移行します その他、矯正治療に伴うリスクとして、歯ブラシ不足による虫歯・歯周病、装置による違和感・痛み、口内炎、話しにくい・食べにくい、歯肉退縮、歯髄壊死、歯根吸収、顎関節症の悪化などがあります |