中学3年生女の子 下の前歯が見えない過蓋咬合と出っ歯を非抜歯の矯正治療とMFTを併用して改善した症例
①中学3年生:過蓋咬合 非抜歯治療
➁使用装置:ブラケット、QH、BH、顎間ゴム
顎間ゴムで上顎側方歯を後方(遠心)移動させ、上顎歯列に隙間ができたところ、この隙間を利用して上顎前歯を後方へ移動させます
③高校1年生:治療期間1y8m
はじめのご相談 | 右上の前歯が下がっているのが気になる。 |
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カウンセリング・診断結果 | 上の前歯が下の前歯をたくさん覆っている過蓋咬合です。 上顎前歯が前(唇側)に傾斜しています。 初診の写真(写真①)では、過蓋咬合以外はよくかみ合っていますが精密検査をしたところ、下顎を上顎に合わせるように前へ出して咬んでいて、実際にはもっと強い出っ歯になっていることがわかりました。 下顎前歯の位置および口元に問題はありません。 機能的には、低位舌で、気道が狭く、唇の締め付けが強いタイプのため飲込み方(嚥下)や呼吸等の機能が悪いと思われ、前歯が過蓋咬合になった要因と考えられました。 |
行ったご提案・診断内容 | 治療は歯を抜かない非抜歯治療で行い、上下の歯列形態修正、過蓋咬合と出っ歯を上顎の歯列を後方へ移動(写真➁)させて改善する治療を以下の装置で行うことと適切な舌位・鼻呼吸・嚥下の習得、唇の強い締め付けの緩和を1年6カ月程度で行う提案をしました。 ・QH:上顎歯列の形態修正をする装置です ・BH:下顎歯列の形態修正をする装置です ・マルチブラケット:歯を動かす装置です ・顎間ゴム:補助的に使用するゴムで、歯を動かしたり、力の加減を調整します ・MFT:上記と併行して、正しい機能:適切なベロ(舌)の位置と嚥下、鼻呼吸、姿勢などの習慣付け、口唇締め付けの緩和を行います ・保定装置:動的治療後は保定装置で歯列形態や咬み合わせを維持、安定させる装置です |
治療期間 | 1年8ヵ月(動的治療期間) |
おおよその費用 | 咬合期治療:88万+TAX |
術後の経過や現在の様子 | 術後の経過良好:リテーナーで保定、経過観察中、正しい嚥下、鼻呼吸の習慣付けを意識していて、経過良好です。 |
治療のリスクについて | 矯正治療に伴うリスクとして、歯ブラシ不足による虫歯・歯周病、装置による違和感・痛み、口内炎、話しにくい・食べにくい、歯肉退縮、歯髄壊死、歯根吸収、顎関節症の悪化などがあります。治療後適切な保定を行い経過観察が必要です。 また、治療後も舌を上顎の正しい位置に置き、口を閉じて鼻呼吸をすることを習慣付けることが必須です。 上記を行わないとスペースや歯のねじれなどが生じます。 |