中学1年生女の子 前歯が突き出て口が閉じられない歯並びを抜歯の矯正治療、マルチブラケット法、MFTで改善した症例

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①中学1年生 12才8か月:
口元の突出感と口唇閉鎖不全の治療
上下左右4抜歯治療

➁使用装置

マルチブラケット法:ブラケット+ワイヤー


QH


BH

③中学3年生 14才7か月:動的治療期間 1年11か月

④出ていて閉じない口元の改善

はじめのご相談 口が出ていて閉じないのが気になる。
本人も気にしているので治したい。
カウンセリング・診断結果 中学生以上で口元を引っ込めるには、前歯をさげる治療をすれば口元もさがります。前歯をさげるには、非抜歯でできる場合と抜歯が必要になる場合があります。
矯正治療を進める上で、悪い舌位や嚥下、口呼吸、姿勢などは治療や歯並びに影響し、治療後の咬み合わせを不安定にするため、矯正治療と一緒に適切な機能にする練習(MFT)を行います。
治療後は咬み合わせを安定させるために、保定装置(リテーナー)を使用します。
以上を説明し、ご理解頂けたので治療方針を決める診断を行いました。

診断の結果、上下顎骨と上下顎の前歯も突出している上下顎前突で、口元も出ていて閉じない口唇閉鎖不全となっています。
上顎前歯に正中離開があります。
レントゲンで低位舌は見られませんが、舌位、口呼吸などは歯並びに影響するため、治療中のチェックが必要です。

行ったご提案・診断内容 上記の診断結果から以下のように治療を進めることをご提案しました。
・上下左右第一小臼歯を抜歯し、口元をさげます
・装置は以下を参照してください
・動的治療期間は2~2.5年の予定です
・治療後はリテーナーと鼻呼吸、舌位、嚥下などの適切な機能の維持で安定させます
・リテーナーの使用期間は治療後2年が必須で、2年以降は自主性での使用になります
・正中離開はリテーナーの使用が良くても再発することが多い状態のため、上顎前歯の裏側にFIXリテーナーで固定します

使用装置(写真➁)
・QH:上顎歯列の拡大、奥歯を前に移動しないようにする装置です
・BH:下顎歯列の拡大、奥歯を前に移動しないようにする装置です
・マルチブラケット:歯を動かす装置です
・顎間ゴム:補助的に使用するゴムで、力の調整をします
・MFT:上記と併行して、正しい機能:ベロ(舌)の位置、飲込み方(嚥下)、鼻呼吸、姿勢などの習慣付けを行います
・保定装置:動的治療後は保定装置で歯列形態や咬み合わせを維持、安定させる装置です

治療期間 1年11ヵ月(動的治療期間)、現在保定中
おおよその費用 94万円+TAX 定額制
術後の経過や現在の様子 大変協力的で、顎間ゴム使用良好、しっかりMFTも行いスムーズに治療が進みすっきりとした口元に改善し、口唇閉鎖不全もなくなりました(写真③④)。
リテーナーの使用も良好で安定しています。
治療のリスクについて 矯正治療に伴うリスクとして、歯ブラシ不足による虫歯・歯周病、装置による違和感・痛み、口内炎、話しにくい・食べにくい、歯肉退縮、歯髄壊死、歯根吸収、顎関節症の悪化などがあります。治療後適切な保定を行い経過観察が必要です。
また、治療後も舌を上顎の正しい位置に置き、口を閉じて鼻呼吸をすることを習慣づけることが必須です。
上記を行わないとスペースや歯のねじれなどが生じます。