小4男子、下顎の前歯が2本ない（先天性欠損）、出っ歯、前歯の凸凹、口元の突出を拡大＋筋機能治療＋咬合誘導（以下、モノブロックシステム）で治療した症例

ア）出っ歯
イ）下顎左右2の先天性欠損（以下、先欠）
ウ）V-Shaped arch（幅の狭いアーチ）
エ）凸凹（以下、叢生）
オ）口元の突出
カ）低位舌
キ）口輪筋の強い締付け

この症例の出っ歯は下の前歯が2本欠損していることに起因していて、欠損してなければ下顎前歯が突出し、口元も現状より出ていたことが考えられます。
低位舌と口輪筋の締付けがV-Shaped archと凸凹の原因です。
V-Shaped archと凸凹は顔の適正な成長を阻害し（ロックした状態）、出っ歯を悪化させ、成長とともに良くなるはずの口元の改善が起こりません。
従って、小児矯正治療で上記の悪いところを治し、顔立ちが適正に成長する環境へ改善することを説明しました。

顔立ちの適正な成長を引き出すためにはお口の環境を整えるアンロックを行い、筋機能を改善します。
アンロックを行うために以下の装置を提案しました。
QH：上顎の歯の裏側につける装置で、歯列の拡大と形を修正します（写真➁）
BH：下顎の歯の裏側につける装置で、歯列の拡大と形を修正します（写真➁）
ブラケット：ワイヤーを装着し、上下の前歯4本をきれいに並べる装置（写真➁）
トイシャー：出っ歯を治す専用の装置（写真③・④）
筋機能咬合誘導装置（以下、モノブロック装置）：出っ歯改善後の安定化と口周囲の機能（鼻呼吸、嚥下、舌位の修正など）を整え、永久歯を適切な位置へ誘導する就寝時に使用する装置（写真⑤～⑦）
MFT：呼吸や嚥下などの機能を改善する練習