小学校低学年(1年生、6歳)女の子 成長に合わせた矯正装置と咬合誘導装置(モノブロック装置)、トレーニング(MFT)で受け口と過蓋咬合を治療中の症例

治療前


初診時

治療中


2018年11月6日(6歳10ヶ月)
受け口の改善中


2019年3月19日(7歳3ヶ月)
受け口の改善

2019年5月28日(7歳5ヶ月)
受け口は改善したが、右下犬歯のスペース不足

2020年1月10日(8歳0ヶ月)

2020年4月7日(8歳3ヶ月)
上顎QH+顎間ゴムで、下顎犬歯スペースの確保および受け口再発の予防

2020年10月6日(8歳9ヶ月)

2020年11月10日(8歳10ヶ月)
下顎犬歯部にスペースができて生え始めたところ

2020年12月22日(9歳0ヶ月)
咬合治療用モノブロック装置(咬合誘導装置)へ移行

2021年5月18日(9歳5ヶ月)

治療後

2022年5月17日(10歳5ヶ月)
経過観察中

はじめのご相談 「受け口を治したい」とご来院されました。
カウンセリング・診断結果 診察したところ、下顎の骨が適切な位置よりも前に出ている下顎突出型で、「受け口(反対咬合)」と噛み合わせが深い「過蓋咬合」と診断しました。

患者様ご本人も顎が出ている見た目を大変気にしており、「矯正をしたい」とご希望されていました。

行ったご提案・診断内容 成長時期にお口の環境を整える治療と、噛み合わせの治療をご提案しました。まずは、上下の顎の成長をコントロールする取り外し可能な装置(成長期受け口用モノブロック装置:機能的矯正装置)を使用。
受け口の悪化予防・改善と、舌の機能を回復するために、お口周りの筋肉を正しく使い、鼻呼吸を促すトレーニング(MFT)も同時に行う治療計画を立てました。
この治療で受け口は改善しましたが、改善後も上顎が小さく、右下の犬歯(3番)が入るスペースがない状態でした。小学2年生以降は、上顎の拡大と右下犬歯(3番)が綺麗に並ぶためのスペースを作り、受け口の悪化予防のために以下の3つの装置で治療を進めました。・QH:上顎の裏側につける装置で、上の歯並びを拡大して修正。
・ブラケット:歯の表面に装置を接着し、ワイヤーを用いて行う矯正です。上下の前歯4本を綺麗に並べて右下犬歯(3番)が入るスペースを確保しました。
・顎間ゴム:歯の表面に接着した装置にゴムを引っかけて、歯を動かしていき、歯並びを綺麗にするためのスペースを作りました。
治療期間 成長期治療の動的治療期間:11ヶ月間(治療中写真の8歳0ヶ月~8歳10ヶ月まで)

現在、咬合誘導装置(モノブロック装置)継続中

成長の経過観察中

おおよその費用 成長期治療:42万円
咬合治療:56万円

・咬合誘導装置・モノブロック装置先行:45万+TAX

・マルチブラケット法移行時に別途:11万円+TAX

術後の経過や現在の様子 受け口が改善し、右下犬歯(3番)が入る場所を確保できたため、現在は生え変わりの時期を利用して、歯を適切な位置に誘導するためのマウスピース型装置である「咬合誘導装置(咬合治療用モノブロック装置)」を使用中です。

もともと強い受け口だったので、お口の周りの筋肉を正しく使うトレーニング(MFT)を継続して、下顎の成長を経過観察中です。

治療のリスクについて ・受け口の治療後も、下顎の成長が強いと、成長とともに噛み合わせが徐々に受け口に戻ることがあります。そのため、成長が落ち着くまで定期的な経過観察と適切な成長コントロールが必要です。
・受け口が再発したり、噛み合わせが不十分な場合は、成長が落ち着いた後に「ブラケット」と呼ばれる装置を歯に接着して、ワイヤーを用いた矯正法で永久歯がしっかり噛み合うようにします。
・凹凸(でこぼこ)や口元が出ている感じが残る場合は、抜歯治療に移行します。
・その他、矯正治療に伴うリスクとして、ブラッシング不足による虫歯・歯周病、装置による違和感・痛み、口内炎、話しにくい・食べにくい、歯茎が下がる、歯の神経が死んでしまう、歯の根っこが短くなる、顎関節症の悪化などがあります。
クリニックより 受け口の治療は、成長期治療で受け口の改善を行い、上顎の成長が受け口により阻害されないように環境を良くすることを優先します。

受け口改善後は、歯並びの形態修正や歯が並ぶスペースの確保を行いながら、経過を観察します。

当院では、受け口を改善し、環境を良くした後は、咬合治療用モノブロック装置(咬合誘導装置)で噛み合わせを整えながら、経過を観察するようにしています。

モノブロック装置で永久歯の噛み合わせが整わない場合は、ワイヤー装置を使った矯正方法である「マルチブラケット法」へ移行します。

同じ受け口でも治療は個人個人で異なりますので、気になることがあればご相談ください。

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