中学生・高校生・大学生・成人の矯正歯科治療
永久歯列の矯正(11~12歳ころから)
中学生・高校生・大学生・成人のお子さまの矯正歯科治療は、歯が生え変わってからの咬合治療となります。(成人の矯正治療と同様の方法です)
治療方法は、
- マルチブラケットシステム(表)
- リンガルブラケット(裏)
- インビザライン
があります。
まず、精密検査で非抜歯、抜歯を検討します。
骨格的な問題が大きい症例では、手術を併用する場合があります。
すぐに治療ができますか?
矯正治療は、治療方針を決めることから始めます。治療方針を決めるには、レントゲン・模型・写真などの精密検査が必要になります。
治療順としては、精密検査、診断、治療開始となり、装置をセットするのは、診断4週後くらいになります。
抜歯の判断
歯列矯正には、歯を抜く治療(抜歯治療)と抜かない治療(非抜歯治療)があります。
歯並び、かみ合わせ、口元の突出感により診断します。
非抜歯治療でできない場合に抜歯治療となります。
詳細は非抜歯治療をご参照ください。
治療装置
マルチブラケット法・表側
マルチブラケット法・リンガル
インビザライン
見た目、費用、適応症例など、それぞれの方法にメリット、デメリットがあります。
咬みあわせ以外の問題
口唇閉鎖不全
リラックスすると口唇がつかない(写真左)、口唇を閉じると顎に梅干し状のしわが寄る状態(ストレイン)(写真右)
さらに強い口唇閉鎖不全
口唇を閉じると顎に梅干し状のしわが寄り、下唇から下の彎曲ラインが崩れた状態(メンタリスハビット)
ガミースマイル
スマイルすると上の歯ぐきがでて見える
歯列矯正の年齢制限
患者さまには「何歳まで治療できますか」とよく質問されます。
矯正治療に年齢制限はありませんが、実際に高齢者では年齢を理由に矯正治療を断られることがあるようです。
矯正治療を見送る理由として、重篤な歯槽膿漏やむし歯や多数歯欠損があります。
通常、歯槽膿漏やむし歯などは矯正治療に先立ち治療をおこない、奥歯がない症例では、矯正用のインプラントを応用します。
写真は当院で治療した治療開始時58歳の方の治療前後です。多数歯に虫歯の治療をされていますが、歯槽膿漏がなく歯ぐきが健康なため治療ができました。
不正咬合の治療例
叢生(でこぼこ)
年齢性別 | 16歳1か月 女性 |
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はじめのご相談 | 八重歯が気になるとのことでご相談いただきました。 |
カウンセリング・診断結果 | 上顎後退型の犬突、歯列がV-shaped archになっており、また、歯列弓に対し歯のサイズが大きく叢生・犬突となっている状態でした。口元に問題はありませんでした。機能的には低位舌が見られました。 治療は上下左右4抜歯で歯列と歯のサイズの調和を図ることを提案しました。低位舌に対してはMFTでコントロールを行う方針です。 |
行ったご提案・診断内容 | 抜歯および拡大HA・BHで歯列弓の形態改善を行い叢生・犬突の改善を行いました。マルチブラケット法により抜歯スペースの閉鎖、咬合治療を行い、機能的な問題の改善はMFTを行いました。動的治療後は咬合の安定化のために保隙装置を使用しMFTを継続しています。 |
治療期間 | 2年2か月 |
おおよその費用 | 95万円+TAX |
術後の経過や現在の様子 | 咬合は安定し、保定装置とMFTを継続し経過観察中です。 |
治療のリスク | 矯正治療に伴うリスクとして、歯ブラシ不足による虫歯・歯周病、装置による違和感・痛み、口内炎、話しにくい・食べにくい、歯肉退縮、歯髄壊死、歯根吸収、顎関節症の悪化などがあります。 |
叢生は、プラークコントロールが難しいため、むし歯、歯肉炎、歯周病(歯槽膿漏)になる可能性が高まります。歯並び、かみ合わせ、口元の状態により、抜歯、非抜歯治療があります。写真は抜歯治療でおこないました。
過蓋咬合
年齢性別 | 10歳1か月 女の子 |
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はじめのご相談 | 前歯の凸凹が気になるとのことでご相談いただきました。 |
カウンセリング・診断結果 | 骨格的な問題はないものの、歯列に過蓋咬合があり上顎臼歯部の前方移動、上下前歯の舌側傾斜、歯列の狭窄で歯列が小さく上下前歯部叢生がある状態でした。口元は上下唇とも後退傾向になっていました。 治療は非抜歯で行い、アーチ形態を拡大で修正し、前方移動している上顎臼歯部および上顎歯列の後方移動、下顎前歯部の叢生は拡大および前方移動で改善を行うことを提案しました。咬合改善後は保定装置で咬合の安定化を行います。 |
行ったご提案・診断内容 | QH・BHで拡大、マルチブラケットで過蓋咬合の改善・ヘッドギアで上顎臼歯の後方移動からスタートし、上下叢生の改善、顎間ゴム併用で上顎後方移動を行いました。治療後は保定装置により咬合の安定化を行いました。 |
治療期間 | 2年2か月 |
おおよその費用 | 90万円+TAX |
術後の経過や現在の様子 | 咬合は安定し、保定装置で経過観察しています。 |
治療のリスク | 矯正治療に伴うリスクとして、歯ブラシ不足による虫歯・歯周病、装置による違和感・痛み、口内炎、話しにくい・食べにくい、歯肉退縮、歯髄壊死、歯根吸収、顎関節症の悪化などがあります。 |
過蓋咬合は、咬合時に上の歯が下の歯を多い過ぎている状態です。
歯並び、かみ合わせ、口元の状態により、抜歯、非抜歯治療があります。写真は、非抜歯でおこないました。
開咬
年齢性別 | 16歳1か月 男性 |
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はじめのご相談 | 歯が噛み合わない 前歯で食物を噛み切れないとのことでご相談いただきました。 |
カウンセリング・診断結果 | 骨格的に上顎前方位・下顎後退型上顎前突、開咬、上下V-shaped arch、左下1先天性欠損が見られ、機能的に口唇閉鎖不全・口呼吸・低位舌・舌突出癖の状態でした。 治療は上顎左右4抜歯法・ただし下顎は3ncisor finish、機能的な問題の改善にMFTを提案しました。咬合改善後は保定装置で安定化を行います。 |
行ったご提案・診断内容 | 抜歯後、開咬・歯列の狭窄の原因と考えられる機能的問題にはMFT、拡大・歯列の修正にQH・BH、上顎前歯の遠心移動・空隙の閉鎖・歯並びの改善はマルチブラケット・顎間ゴム、咬合改善後は保定装置・前歯部FIXリテーナー・MFTで咬合の安定化を行いました。 |
治療期間 | 3年6か月 |
おおよその費用 | 95万円+TAX |
術後の経過や現在の様子 | 治療後は保定装置の使用とMFTの継続で安定しています。 |
治療のリスク | 矯正治療に伴うリスクとして、歯ブラシ不足による虫歯・歯周病、装置による違和感・痛み、口内炎、話しにくい・食べにくい、歯肉退縮、歯髄壊死、歯根吸収、顎関節症の悪化などがあります。 |
開咬とは咬合させても上下の歯がかまない状態をいいます。発音・構音不良、食べ物を噛み切れないなどの機能不良、また、口呼吸では口が乾燥するためむし歯や歯肉炎になりやすい状態で、歯並び、かみ合わせ、口元の状態により抜歯、非抜歯治療があります。
写真は、抜歯治療でおこないました。
反対咬合
反対咬合とは受け口ともよばれ、咬合時に上の歯より下の歯が出ている状態をいいます。歯並び、かみ合わせ、口元の状態により、抜歯、非抜歯治療があります。
写真は非抜歯でおこないました。